タイトル「今井家の汚点」
ともすれば曖昧で窮屈な毎日にぐっと足元を踏みしめて立ち向かう。
みたいな意気込みで毎日を送っていると、時々どうしようもなく自分じゃない自分を求めたくなる。それが今だった。
私の名前は今川清元(いまがわ-きよもと)。
代々続く今川家の次期頭首として小さな頃から厳しいしつけをされてきた。
所作から言動・考え方まで今川家にふさわしいとされるものはこれだと押し付けられてきたと今は思う。
「私のおちんちんを踏みしめてくださいっ。って言えよ」
「……」
「まだまだ言えないってか? でもな、言えないといつまでもこのままなんだぜ? いいのか?」
「くっ……ぅぅ…………」
意地の悪い男・津田将星(つだ-しょうせい)にいいようにされている私は今、裸のまま大股を開き荒縄で縛られていた。
時は真っ昼間。
逃げ場である自室マンションに私を虐めてくださるご主人様に来ていただいている状態だった。
私の尻には今偽物の男根が深々と差し入れられている。これはご主人様のかたちを型どったバイブだ。
電源はご主人様が握っているので、いつ動かされるのかは分からない。
それでも意図せず腰が動いてしまうのを咎められ股間を踏み潰されるくらいの勢いで踏まれると嫌でも声が出てしまう。
「! っ……ぅぅっ…………!」
「揉み揉みされたいのか? え?」
「ぅぅぅっ……ぅ……」
「早く言葉らしい言葉を言えよっ! でないとこのまま放置だぜ? いいのか?」
ニヤニヤとされて窮地に立たされると股間のモノがプルリと震えた。
「おいおい。俺は言葉で言えって言ったんだぜ? モノをプルプルさせろなんて言ってないよ」
クスクスと笑われて唇を噛み締めるしかなかった。
ご主人様である将星は私の異母兄弟だった。
いわゆる妾の子として母親が亡くなったから引き取られた可哀想な子供でもあった。
ただしそれはあくまでも建前で、その実お家を次に繋げられる人間が生き残れる弱肉強食な家系でもあった今川家。
直系である私は途中から混ざりこんできたヤツを潰そうとして逆手を取られているのが現状だ。
なにせヤツは相手の気持ちを汲み取るのが思いの外上手いのだ。
だから私が今寂しいとか悔しいだとかを瞬時に察知して寄り添ってくる。
そして私に取って一番気持ちの良いこと・して欲しいことをしてくるのだからタチが悪いとも言えた。
私は今、次の季節である秋に向けてその趣旨に沿っての花を生けなくてはならない。
それは先鋭的であればあるほど注目を浴び、結果収入も増える。
そう出来れば弟子への配分も多くなり、次への意欲へと繋がるのだが、そう簡単に先鋭的な・しかも皆に受け入れられるものが作れるとは思えないのだ。
あー、薬でも打ちたい気分だよっ!
出来ることならそんなこともしてみたかったが、あいにく私は廃人にはなりたくない。
なので自力でどうにかしなくてはならないので、行き着いた先がコイツとの関係だった。
虐げられてイカされて罵倒されるとパカンッと何かが生まれてくる。
それが生まれてくるまでコイツに犯されて許しを請う。
ヤツの血は汚らわしい。
世間一般にはそう思われている。
そんな卑しいやつに虐げられる本家の血筋の私はもっと卑しいんではないだろうか……と考えてみる。
そうするとどうしようもなく体が火照ってヤツを欲しがるんだ……。
汚らしいヤツの放つモノを受け入れる私……。
汚らしい女から生まれたヤツにいいようにされる私はどうしようもないクズだ……。と思うと、ブルリッと身が震える。
「こんな姿……お前の弟子に見せたらどう思うだろうなっ。しかも妾の子である俺にされなきゃ勃たないって言う欠点付のお前なんて……、女の穴に突っ込めるのかよっ! えっ?!」
「うううっ……ぅ……ぅ…………」
そんなことは端から分かっている。だけど事実だから否定しようがなかった。
最初は無理やりだった。
本家の母屋・自室で寝ているところを襲われた。
本来日本家屋なんて襖で区切られているだけで鍵らしい鍵もない部屋だ。
寝ているところを布団に入り弄られて射精させられた。
夢うつつのままだった私に色々なことを教え込み、そして私は背徳と快感を覚えた。
他人にされると言うことの素晴らしさを知ってしまったと言ってもいい。
だから女に最初にされれば普通に次期頭首を作るのに必死になれたのに……と思う気持ちもあるのだが、最初にモノや袋・後ろの穴までもヤツに占拠されようとは……。
嫌だったら拒否も出来ようが、最初に覚えてしまった快感の行為は否定するなんて出来なくて……。
私はヤツに翻弄された。
一夜で何度も射精して快楽を得てしまった。
それが普通になり、今ではそれよりも激しい快感を欲してしまう。
それに付き合ってる・と言えば体裁はいいが、多分……しょせん私もヤツもパズルみたいにカチッとはめ込みされるだけなのだと自覚している。
「俺の偽物だげて満足してるのか? だとしたら、コレはお前の口でどうにかしてもらうしかないんだけどなっ」
少し笑みのかかった声でそんなことを言う妾の子の言葉に、私はおとなしく舌を出す。
そしてヤツのモノを口に含むために必死になって腰をくねらせて誘ってみる。
だけどヤツはそう簡単には私に本物味わせてくれることはなく、目の前で自らのものをしごくと私の腹や胸に白濁色のモノをドクドクッと射精して口元を緩ませた。
「どうよ。欲しかったか?」
クククッ……と心底馬鹿にしながら笑われて偽物を入れられたモノを締め付けて困り顔をするしかなかった……。
そうまでしても私はヤツの汁を吸いたいと思っている。
思っていることに自分で自分を幻滅してもいるんだが、そんなことよりも中に入れて欲しい欲求のほうが強くて苦しげに声を出していた。
「将星…………。お願いだ……。私の中に…………お前の生のモノを…………! 勢いよく入れて欲しいっ……!」
「……」
「お願いだっ。お願いしますっ! お前のっ……!」
「お前?」
「あっ……なたの…………」
「貴方様。だろ?」
「っ…………」
「早く言えよ」
「ぅ……」
「早く」
「………………ぁ……」
「あ?」
「あ……なた様の……モノを…………ズブズフ私に……。貴方様のモノで私の汚らしいモノを犯してくださいっ!」
「ふっ……。ホントにな。お前のモノはいつも汚らしくて大嫌いだよ。臭いし、エゲツないし、何より入れると良がって小便するところが最低だと思うよっ!」
「すっ……みませんっ……!」
罵倒されると気持ち好くて小便を漏らすと言うのは、私の悪いところだった。
だけどそんなところも今のところヤツしか知らないわけで。
私はヤツに乱暴に偽物を抜き取られると後ろから乱暴に挿入されて床に小便を振り撒きながら快楽を得る。
射精はヤツが私の中にしてからでないと許されない。
キツくモノの根本を握られてながらしごかれるのは痛いなんてもんじゃなくて、逃れるのに身をくねらせると中のモノがより挿入してくるみたいに感じる。
私は脚を広げられて担がれて、まるで子供が小便をしてもらうみたいに大股を広げられながら自らのモノをしごいてみせたりして床に精液をまき散らした。
縛られて入れられて中に入れられたモノを吐き出すのも許されず、痙攣するまで罵倒される。
最後に小便だか精液だか分からないモノを床に垂らすと記念の写真を撮られて開放される。
もう何度こんなことをしてるだろうか……。
気持ち良くて分からないよ……。
終わり
20160222/0318
タイトル「今井家の汚点」