タイトル「ちょっと恥ずかしい眠り」
円と研人の場合
円。→赤瀬円(あかせ えん)。先輩。研人よりも身長が低いのを気にしている。平均身長だと思っている168cmのツンデレさん。
顔は可愛らしいが負けん気は強い。押しに弱いので押し切られて関係を結ぶも、実は円も研人のことが好きだったと言うオチ付。
研人。→野村研人(のむら けんと)。後輩。やたら身長がある。2m近い。能天気で天然。ひたすら円が好き。
顔は堀が深くモデル並だがモテてる自覚なし。彼のご機嫌を取るのが日常の一コマとなっている。それもこれも好きの極み。彼の犬。
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やってしまった……。
またしても素直になれなかった。
研人が出ていったドアを見つめてうなだれた円は、どうしようもなく落ち込んでいた。
どうしたらもう少し素直になれるものなのか。
ちょっと立ち直れないくらいだったので、今日は出掛けるのを控えようと思った。
どんよりした気持ちのまま寝室に行くとベッドに突っ伏す。
つい数時間前まで寝ていたところなのに、それにしてはよく眠れる。
「それもこれも拒否反応ってヤツかな」
そう思いたくなかったが、どうしてもこの深い眠りはそうっぽい。
どうしたらいいのか…。
今後の展開を気に病むと、そのまま眠りについて気がつくとすっかり午後になっていた。
「やばっ!」
今日一日まだ何もしてないじゃないかっ! と勢いよく起き上がろうとして、隣で寝ている研人を見つけて言葉をなくした。
「ぇ……」
「ぁ、起きました?」
「お…まえ、いつ帰ってきたんだよ」
「ちょっと前ですよ」
「ちょっと前って、いつだよ」
「うーんと、1時間くらい前?」
「ぇっ、ちょっと待って。今何時だ?!」
「2時半ですか」
「ってことは、俺は何時間寝てたんだ?」
「いつから寝てたのか分からないから何とも言えませんけど……」
「……」
「いつから寝てたんですか?」
「えっ…あ、あーっと……。いいだろ、そんなの!」
とてもじゃないが、恥ずかしくて言えなかった。彼が出て行ってからすぐだから5時間くらいはグースカ寝ていたことになるのだ。
自己嫌悪だ……。お前が大学行っている間、何もせずに寝てましたとはちょっと言いにくい。
だけど事実はもう証明されてしまっているわけで。
これからまた何か言われたらどう切り替えそうかと悩むばかりの円だった。
辛い……。
終わり
タイトル「ちょっと恥ずかしい眠り」
20190517