タイトル「日曜日はいつも-1」

 休みになると僕・近衛拓海(このえ-たくみ)は洋服を剥ぎ取られる。
だから裸のままいつも過ごさなきゃならないし、裸じゃ外にも行けやしない。
オマケに尻には尻尾付のバイブが入ってるし、モノは尿道に鈴付きの棒が刺さってるから動くたびに音が鳴るのを抑えられない。
大型犬用の首輪を付けられて油性のペンで腹や尻、太ももに戒めの言葉を書かれている。


『肉便器・専属奴隷・垂れ流し・ペット・尻上等・おもらしヤロウ・淫乱・度スケベ・変態・♀』


 色々書かれているけれど日常は見えないところに書かれているので、これは彼・檀野鉄(だんの-てつ)の所有物だと言う証だと思っている。
乳首に木製のクリップをされて、昨日の名残であるキスマークと歯形を体中に刻みながら雑巾で床を拭く。定期的に動く尻のバイブは、時々不意打ちでより奥に入ってくるので、食いしばった口から涎が垂れたりする。
「拓海」
「……なに」
「俺の天使。いつもかわいい」
「かわいい天使には、普通こんな恰好させないと思うんだけど」
「誰にも取られたくないんだよね。出来れば尻肉とかに如何わしい文字入れ墨したいくらい」
「それは痛いからヤだ」
「俺も。拓海の尻を俺以外の奴に見せるのはヤだからしない」
「……」
 朝の行事としては、こうして四つん這いの姿を光に晒されて堪能されること。別に床が綺麗にならなきゃ駄目というわけじゃない。今だってモノから垂れた汁が床を汚しているからだ。
「拓海はさ、ずっとそのままのほうがいいよ」
「感じ過ぎてヤだよ」
「感じてるなら、もっと腰を振って鈴を鳴らして。お尻に本物入れてくださいって言って」
「ヤだ」
「だったらもう少し床を拭いてもらおうかな」
「ぅぅっ……」
「玄関まで拭けたら朝のご奉仕開始だからね」
「んっ……」
 休みの日のパターンは決まっている。
これが終わったら次は自慰の披露だ。
明るい寝室で大きく脚を広げて鈴の付いた棒を尿道から引き抜かれる。抜かれた時、同時に射精出来ればご褒美で尻に入った尻尾も取られて生身のモノを突っ込まれ最低二回、中で射精されるまでひたすら腰を振って喘ぐ。
鈴棒を引き抜かれても射精出来ない時は、目の前に陣取った彼に自慰の披露だった。
袋に木製のクリップをされたり、筆で素肌を撫でられたりしながらの行為は快楽と痛さがない交ぜになって尻を弄りたい感半端なくなる。だけどそれは許されてないから、ひたすらモノをしごいて快楽を貪る。
「ぁっ……ぁっ……ぁ」
「今日は射精出来なかったから筆の刑かな。可愛く腰を振って喘いで」
「んっ……んっ……んっ……」
「まったくいやらしい体だよね。突っ込まれてないと本性出せない淫乱マゾ」
「そ……んなことっ」
「だったらそのまま放っておこうか?」
「嫌っ。お願いっ……尻に本物入れて……」
「……いいよ。じゃあ、自分で尻尾抜いてみようか」
「ぅ、うん」
 言われるままに片手はモノを握りしめ、もう片方の手で尻尾の付いた男根をズルズルと尻から引き抜く。
「ふっ……ぅぅっ」
「両手で自分の太もも抱えて」
「ぅん」
 言うことを聞くと尻が空洞になっているので、空しく喘ぐ。
「後ろの口がパクパクしてるよ」
「お願いっ。お願いします。尻に、入れて。僕をいぢめて」
 そう言うのが精一杯だった。
ヒクつくソコは生身のモノを突っ込んで満たして欲しいと思う気持ちしかなくて、必死になって尻を振る。
しばらくその光景を見ていた彼がようやく自分のモノを取り出してしごきにかかった。
「拓海は淫乱?」
「ぇっ……」
「淫乱じゃないの?」
「……」
「何、淫乱じゃないの? だったら入れても仕方ないよね」
「ま、待って。……僕……は尻をパクパクさせてる淫乱ですっ。だから……ご主人様の肉棒が欲しくて欲しくてたまりません。入れてくださいっ」
「よおし、いい子だ。たっぷり中に注いでやるから善がれ」
「はっ、はい」
 やっと待ち望んでいたモノが入ってきた。
偽物とは違う感触に体が震える。根本までしっかりと埋め込まれ太股の内側を指で撫でられると自ら腰を振ってしまう。
「あ、ああ〜んっ」と甘ったるい声を出して鼻を膨らませる姿を全開で披露すると、相手が喜ぶのが分かってるので懸命に声を出した。
「今日はまたヨガりが半端ないな。よっぽど汁が欲しかったのか?」
「はっ、はい。一週間、寝ても覚めてもこのことばかりで……」
「そうか」
 気を良くした彼が突き上げを強くする。僕は自分の太股を抱きながら触ってもいないモノから汁を垂れ流していた。
「ぅぅぅ」
 何度目かの突き上げでより深く、ねじ込むように入れてきた彼が中に精液を放出する。
僕も一緒になって感じてしまいプルプルとモノを震わせながら勢いよく果てていた。
「ぁぁぁっ……ぁぁ……」


 彼が出ていっても僕はそのままの姿勢で耐えた。
空洞になったソコからは彼の放ったモノが流れ出てシーツを濡らしている。それでも「直れ」の言葉がないと、このままの姿勢でいなければならなかった。
「拓海……。俺の天使……。ケツからお漏らししてるぞ」
「すっ……みませ……。でもっ……」
「前も後ろもグチュグチュにして。今拭き取ってやるからな」
「あ……りがとうございます……」
 彼がそのままの姿勢でいる僕に近づくとシーツを引き寄せて股間を拭きだす。腹を押さえて中のモノをすべて出してしまうと、今度はペロペロと舌でソコを味わいだす。
「あっ……ぁぁっ……んっ。んっ………んんっ……ん」
「俺の天使の味は最高だ。とろけるように甘い」
「はっ……ぁ……ぁぁ……んっ」
 また勃起させられて事が再開される。
今度は紐で縛られての行為か、突っ込まれながらのAV鑑賞か、スパンキングか。はたまたまた新たな試みなのか……。終わらない性交に溜まらない背徳感を覚えた……。







 週明けの朝は早い。拓海はいつもより早く起きて体を整えなければならなかった。
「おい、起きろ。そろそろ時間だぞ」
「うーん……。まだ大丈夫だよ……」
「じゃあ僕はもう行くからな」
 一緒に出社したら何だかマズいような気がして、いつも僕のほうが早く家を出る。でもまだ尻はしこたま使ったせいでユルユルだからしっかりと太めのプラグが差し込まれていた。
 僕は玄関の鍵をするとエレベーターに向かって歩き出す。朝のコーヒーを外で楽しんでから会社に向かう。僕たち二人の関係は、上司と部下だ。
終わり
タイトル「日曜日はいつも」
20230412/17/0810