タイトル「先輩後輩奴隷がひとり」
「今さ、部屋にいいのがいるんだ。来ない?」
そう誘ってきたのは先輩の甲野元春(こうの もとはる)だった。彼は今時のイケメンでよく男をお持ち帰りする。
ここは独身の社員寮なんだけど、こういう先輩がいると同種の俺としては嬉しい限りだったりする。俺の名前は上田恭平(うえの きょうへい)。今年ここに入ったばかりの二十二歳だ。先輩の甲野は俺よりひとつ上の二十三歳。よく酔っ払った男を連れ込んで、やること犯っちまう常習犯だ。
それに加担するのが俺なんだけど、俺たちふたりはどっちかって言えば両者攻める側で。だからもっぱら入れる相手を探している。近場で犯ってもいいんだよ? でもその後が面倒だから手をつけないでいた。
俺と先輩が同種だって分かったのは、たまたまその手の店で出会ってしまっていたからにすぎない。乳繰り合うのもいいんだけど所詮ふたりとも攻める側だからすぐに飽きちゃうんだよね。狩りが好きな先輩は、本当に頻繁に男を連れ込む。今日のは酔っ払ってるノンケなのか、はたまた納得済みのガバガバなのか。どっちにしてもおこぼれに預かる俺としては楽しむこと以外考えてはいなかった。
○
「ちわっす」
室内に入ると男はもう先輩によって縛られていた。ってことは納得済みの…ってことになるだろうな。でも酔っているのか、こんな格好をさせられていてもぐっすりと寝てしまっていた。こんな格好とは、いわゆる後ろ手拘束開脚縛り。これは納得済み? それともノンケ凌辱? 分からなくて首を傾げる。
「先輩。この人、知り合いですか?」
「知り合い?」
「ええ」
「ああ。さっき知り合いになった。後ろは初めてだって言うから緊張してたんで酒を勧めたらこんなになっちまって…。奴隷になりたいんだってさ」
「はっ?! 初めてでですか?」
「ああ。どういったいきさつかは聞かなかったが、フラッと店に入ってきたから他の奴に取られる前につれてきた」
「へぇ…。こんな綺麗な顔してるのにねぇ」
開脚縛りで寝込んでいる男を覗き込んで身を起こす。どっちにしてもこんな上玉と犯れるなんて滅多にないことだ。ここは先輩の言葉を信じて行動を起こすことにした。
「先輩。上と下、どっちにします? 俺は余ったほうでいいですよ」
「そうだな……。でも最初にちょっとやっとかなきゃいけないことがあるから待っててくれ」
「ぁ、はい…」
いったい何をするのか…と先輩を見ていると、普段使わない三脚と動画を取るためのカメラをセットした。
「撮るんですか?」
「ああ」
「珍しいですね」
「後で何か言われても適わないからね。ちゃんと記録しておかないと、っと……」
セットしたカメラのスイッチを入れると、先輩はニンマリと笑って俺のほうを向いた。
「さぁ、始めようか」
○
「んっ…ん……んんっ……」
洋服を着たまま縛られている男にふたりして舌を這わせる。俺は主に右側を、先輩は左側を洋服の上から弄んでいた。時に最終目的の場所で指同士が鉢合わせになってしまうこともあったが嫌じゃなかった。
男はワタリと呼ばれることを望んだ。だからそれが本名なのか通称なのかは分からないが、この先彼との係わりあいがあるとも思えなかったので、それでいいと思った。
ワタリは男との関係はなかったが、年上の女に前立腺は鍛えられていたと先輩に話したらしい。だからもうヤツの股間のモノは下着の中でいきり勃っていた。きっと先走りの汁を流しているだろう。だけど俺も先輩もそっちは気に止めない。てか、あえてその話題には触れないようにして、ひたすら後ろの穴を目当てにしていた。
先輩がワタリの下半身を下着毎一気に脱がせる。全部脱がせなくてもソコだけが出ればいいわけで。俺と先輩は奴を犯した。
「んんっ! んっ…! んっ…! あっ…ああっ…あ……!」
最初はもちろん奴を連れてきた先輩が奴の濡れ濡れになった秘所を犯す。そしてグチョグチョになったところで俺がソコをもっといただいた。先輩は開脚したままの脚を掴んで前から攻めたが、俺は後ろからが好みなので尻だけを引っつかんで縛ったままの奴に突っ込んだ。
「んっ! んっ! んっ! あっ…ぁぁっ…あっ…」
一度先輩の時に射精してしまっているワタリは、すぐには復帰出来なくてひたすら俺だけを楽しませるために体を揺らした。先に先輩が出しているから滑りが良くて困る。ギュッと締め付けるように前に手を回すと、だらけているモノの先端に爪を立てた。
「ギャッ! ぐぐぐッ…!」
「まださ、二本目なのに緩くなりすぎなんだよ、あんた」
「うううっ…!」
「謝らなきゃな、俺に」
「ううっ…ぅ…」
「ワタリ。返事は?」
「はっ…はぃっ……! すっ…みませ………んっ…! んっ! んっ!」
「分かったらもっと尻に力を入れて。ちゃんとご奉仕してくれよ。でなきゃ、また爪立てるよ?」
「すっ…みませんっ…! で…きるかぎりっ……! いっ…い………!」
前を弄んでちゃんと尻に力が入るのを待つ。ワタリは一生懸命に尻に力を入れて俺を満足させようとしていたが、俺はそれじゃあ物足りなくて、結局また奴のモノに爪を立てた。
「グッ! ぐぐっ…ぅ…」
「そうそう。そのくらいちゃんと力を入れてくれないと、お前の尻に入れるだけの価値がないんだよなっ」
「ぐぐぐっ…!」
所かまわず爪を立てて、おまけに袋を握り潰すほどの勢いで握ってみた。すると奴はヒイヒイ言いながら体をヒクヒク震わせて応えてきたので、そこでようやく俺も本腰を入れる気になった。何度も何十回も奴の尻に腰を打ち付けた。腰なんて持たずに奴の前のものと袋を操縦桿みたいに操って楽しんだ。そうしてる内に奴のモノもまた大きく堅くなってきていた。
「あっ…あ…あ……!」
先輩はそれをカメラの横から楽しそうに眺めていた。
こりゃ、儲け物かな。
終わり
タイトル「先輩後輩奴隷がひとり」
20130622
