タイトル「職場の風紀 -上司の乳首、部下の尻-」」
「ふっ……ふ……ふ…………」
「ん……ん……んんっ……ん…………」
社内でも奥まっているところにある備品室で、ホワイトカラーと呼ばれる男たちが絡まっていた。
片方はほとんど全裸。そしてもう片方はたいして衣類の乱れもない姿で。
攻められている男は年配で膝まで衣類を脱がされて、上半身はワイシャツの前をしっかりと開かれていた。
そしてネクタイだけはしっかりとしているものだから少しおかしな感じもするが、そこは男の趣味と言うよりは相手の趣味が多分に働いている。
尻の割れ目に股間を押し付けられて後ろから乳首を潰すように捻られてネクタイを揺らし完全に感じている姿が猥褻以外何物でもない。
後ろから攻められている男の名前は須田圭吾/スダ-ケイゴ。
商品開発部の部長をしている三十九歳の独身オヤジだった。
見た目は年よりも若く、自ら言わない限り実年齢とはかけ離れて見える優男だ。
それとは別に、実際に若くて優秀な部下である星月司/ホシヅキ-ツカサは二十七歳。彼の下で課長をしている体格のいいイケメンだった。
そして今は無慈悲にも上司である圭吾を後ろから攻め立てている男でもある。
彼としては相手を選り好みしない。
言い寄られればとりあえずつき合ってみる。そして今回言い寄ってきたのが上司の……というわけではなかった。
言い寄られたわけじゃない。言い寄ったわけでもない。
自然の成り行きでそうなってしまったと言えばいいのだろうか。もっと違う言い方をするとしたら、それはすべて酒のせいだった。
慰安旅行で近くの温泉旅館に泊まった時、暗い室内でもつれ合って最後までイってしまった。
だから相手が女じゃないとは分かっていても、男だと分かっていても、まさか自分の上司だとは思わなかった。
そして相手も、それが気になっている部下の司だとは思ってもみなかった。
お互いに最初は酒のせいにした。だけどどちらも体の相性がいいと感じてしまっていたのだ。だからそれ以降、こんな風に関係は続いている。
それまで司の相手をしていたのは、ひとつ後輩の本田弥之助/ホンダ-ヤノスケだった。
見た目もスラッとしていてカッコいいので女子からの人気も高い。彼も誰とでも気にしない主義なので、お互いに割り切った関係だった。だが上司である圭吾が現れてから司は彼ばかり味わっている。だからうっぷんが溜まって不平不満をぶつけてくる弥之助もたまには抱くのだが、あまりいい顔はされてないのが現状だ。
「部長、そろそろ出してもいいですよ」
「ぅ……うんっ……。でも…………」
「もったいないですか?」
「そ…んなことはっ……ぁ…………ぁっ……」
「だったら床汚してください。今出さないと根本縛りますよ?」
「分かった。分かったからっ…ぁ……。ぁぁっ…………!」
言われるまでは出さない。そして言われたら即座に出す。
いわゆる言いつけを守る上司である圭吾は、乳首を捻る指に力を入れられて、それが合図のように身を震わせて床に射精してみせたのだった。
勢いよく出たソレは床を汚したついでに圭吾自身の腕や胸も汚していた。それをちゃんと射精出来たかどうか覗き込んで確かめられる。
「ったく、部長はエロいな。自分まで汚してっ……」
「ぅぅぅっ…………」
「腰、くねらせて」
「ぅっ……ぅんっ…………」
言われるままに腰をくねらせるとドクッと中の彼のモノが反応して気を良くする。
「ああ。いいなっ…………。もっとくねらせて。でないと、いつまでも終わりませんよ?」
「ぅ……うんっ…………。こ……こうか?」
「そうそう。クネクネさせて。突いてあげるから」
「ぅ……ぅんっ……。んっ……んっ…………、んっ…………!」
今度はしっかりと腰を掴まれて後ろから突き上げられて、体をヒクつかせる。
「うっ……ぅぅっ……ぅ……!」
「いいよっ、いいっ。部長はいつでも従順で大好きですっ……」
鼻歌混じりにガンガン突き上げられるともうどうしようもなくて、圭吾は彼のなすがままになるより他なかった。
いつの間にかネクタイだけの姿になって自分の出した精液を背中に感じながら突き上げられる。
再び固く大きくなった股間のモノには触れることを許されず、ひたすら彼にしがみついて脚を絡ませて喘ぐ。それでも物足りないと感じるのは彼が中に注いでくれないと分かっているからだ。社内でする時にはけして彼は中に出さない。自分ばかり射精させて自分はゴム止まりだからだ。圭吾としては中に出してグチョグチョにして欲しいのに……。
彼は腕時計で時間を気にしながら事を進める。
部長である圭吾が思うよりも司の仕事が多いからだ。だけどこんな風に楽しむのはどちらも好きだ。
「終わったら、言うことあるでしょ?」
「ぁ…りがとう…ございますっ…………」
「良し、完璧。跡はトイレに行ってバイブ尻の奥のほうにに入れておいてくださいよ。リモコンで確かめますからね」
「はっ……はぃっ…………」
これはお決まりの「知らしめ」だった。
緩んだソコにバイブをグイグイ突っ込んでプラグで塞ぐ。
「私は彼の所有物です」と知らしめる行為を分かるのは、たぶん弥之助のみ。
リモコンで火照った体を周りに知られないために平常心を保つのに賢明になるのを、許せない面持ちでデスクの前に立つ弥之助。それを面白そうに見つめる司の構図が圭吾には今自分が優位に立っていると証明できるようで楽しかった。
「部長。この書類、正当性がありませんっ」
「……ぇ、なに?」
「ですからっ! これ、却下してくださいっ! いいですねっ?!」
「えっと…………」
渡された書類を確認しようと目を落とすのだが、体内のバイブが最大限に振動して「ひゃうっ……!」と声をあげてしまいそうになる。
「ぅぅぅっ…………」と密かに声をあげて潤んだ瞳で司を睨みつけると、彼が弥之助に声をかけた。
「本田君。それは部長じゃなくて俺に言う案件じゃないのかな?」
クイクイと指を曲げて「こっちに来い」と催促される。
それを見た弥之助が納得いかないが上司だからと仕方なさそうに司の元に脚を向ける。そして数分後には二人して部屋から出ていって三十分くらいは帰って来ないのだが、皆はそれを上司が部下を宥めているのだと思っているらしい。そういうところは羨ましく思うのだが、その間圭吾のバイブはMAXの振動を保ったままなので、どうしてもトイレに駆け込んでしまう。
「ぅっ……ぅっ……ぅぅっ…………」
今頃ふたりは何をしているのか…………。
いたたまれない気持ちで自分のモノをしごく。
「ぁぁぁぁっ……ぁんっ…………!」
出来れば口も塞いで欲しいのに、肝心な彼が他の男と戯れているのを想像しながら尻に突き刺さったプラグを動かす。しごくモノが痛くなるほどいたぶって、自分の乳首を嫌と言うほど捻りながら便器に射精する。
「ふっ……ぅぅっ…………ぅ…………」
それでも全開MAXのバイブの振動は止まらずに圭吾の体を興奮させた。
「駄目だっ……。やっぱり中に出してもらわないとっ…………!」
こうなったら弥之助がいようがいまいが関係ないっ!
圭吾はひたすら快楽を追い求め、それに従順になろうとしていた。でも彼・司の体力を考えると無理は言えない。元々自分のほうが後からの関係だと知っているので、そこは多少躊躇する気持ちになる。
「どうする? どうしたら…………」
ひたすらモノを弄びながら考えるが、自由奔放な彼を縛り付けることは出来ない。
要は彼ではなく、彼と同じようなことをしてくれる誰かを見つければ満足するのにっ……と思うのだが、なかなかそんな人はいない。元々男が好きだったわけでもないのに、されれば気持ち良くなってしまう自分を呪うしかない。
「くそっ!」
彼。ではなくても、自分を満足させてくれる誰かをひたすら待ちわびる孤独なオヤジ・圭吾だった。
終わり
タイトル「職場の風紀 -上司の乳首、部下の尻-」
20190809