タイトル「執事塔野の独り言-1」

 ウチのご主人様について、今日はお話しようと思います。
 私の名前は塔野。塔野藍句(とうのあいく)と申します。職業は執事。二年前からこの間瀬家にお仕えしております。私の主人は、この家の長男になられる章一さまになります。お年は18、現在は高校三年生でございます。
 主人はもう行く大学も決まり後は卒業を待つばかりなのですが、ここで問題が生しました。それは主人が大学生になられるには、この家をいったん出なければならないことです。一度は世間の風に当たるように、と言う親御様からの言いつけに従い大学四年間は外での生活を送らなければなりません。しかし主人は今までが今まででしたので、ご自分一人で暮らすことには慣れておりません。と言うか、どうやって暮らしていいのかさえ分かっておいでになりません。
 仕方がないので今から予行演習を兼ねて外の世界に飛び出しました。そこはいたって普通のマンションです。すごく特別なシステムなど全然ない、よくある一般のマンションです。そして私が影ながら見守る役目を仰せつかったのですが、私も探偵ではございません。主人に簡単に見つかってしまい、影ながら見守る役目が早々にバレてしまいました。なので今は影ながらではなく、表で堂々と主人を見守る執事として働いております。





 そんな私の生活は、朝一番に起きてご主人様の歯磨きの準備から始まります。自分の身支度を整えると主人の着る衣類をそろえ朝食の準傭です。外で暮らしたからと言って主人の体重が増えた減ったと言うのはご法度ですし、執事の私自身も許せません。なので体調管理を厳密にするためにも、朝は主人の具合を見ます。
 どうやってかと申しますと、まず朝目覚めた時に股間のものが勃起しているかどうかの確認です。
 まだ眠っている主人かたわらに座り込みますと布団の中にそっと手を差し入れます。そして股間を弄るのですが、少しでも堅くなっていたら健康。そうでなければ病気かもしれせん。
 一大事です。
 でも今までそんなことは一度もないので、これからもないことを祈ります。私はそのままパジャマの中に手を突っ込むとおもむろに主人のものをしごきます。そうして大きくなってきたら自らの頭を市団に入れてロでの奉仕をしたします。そうするともっと健康具合が分かるからです。
 まだ若い主人は昨晩出したばかりだと言うのにしっかり濃厚です。
 毎晩毎朝・日に二回は主人の体調を管理します。
 希望があれば私の体を使っての奉仕もいたします。しかしそれには前もっての支度が必要となります。そうしないと自分もですが、主人にまで不快な思いをさせることになりかねないからです。
 主人と私との体格差はあまりありません。主人は細マッチョ系ですが、私はどちらかと言えばガッチリタイプを維持するようにしています。どうしてかと申しますと、外の世界は色々ですので、やはりボディガードも兼ねていないといざと言うとき主人を守れないからです。
 今までにそんなことがなかったか、と言えばそうでもありません。勝手な思いこみでつきまとう人間も中にはいましたので、ガッチリとした体型の私がお側についていることで、そういう問題から少なからず回避出来ていると思っております。

 私と主人の会話は、他愛もないものならございますが、深く入り込んだ、たとえば私自身のことなどは一切お話しません。その代わりに主人の困っていることを話してもらいます。なぜなら私が困っていても主人が困っていなければ一日が回るからです。中心はあくまでも主人なのです

 現在主人はまだ高校生なので私が校内に入ることは許されておりません。ですから主人が学問を学んでいる間は家政婦のような仕事をして時間が過ぎるのを待ちます。本当の本番は主人が大学に入ってからになるでしよう。
 ひとまずお話はこれまでです。
 これから今夜は主人が私の体を必要だとお聞きしているので、それまでに身奇麗にしておかなければなりません。
 それではまた。お会い出来た時にこの続きをお話ししたいと思います。
終わり 
20120402 K-20121004